■ 工期を遅らせないためのポイント (文字通りタイムイズマネー)

事業主様にとって「時」はお金です。工期が遅れることはそれだけ無駄なお金の浪費に直結します。
いくら低金利時代といっても土地代の金利もバカになりません。また、景気の動向や販売時期も気になる事項です。

建築計画とは異なり、開発許可はケースバイケースなところがやっかいな所です。
同じ敷地面積、用途地域であっても開発許可までにかかる時間は本当に様々です。
事業計画が工程通りに進行するためのポイントをご紹介します。


 ■ 事前調査はしっかりと

計画地に関する開発関連の事前調査はしっかりと行うべきです。できれば土地取得前に調査する事をお薦めしますが、既存住宅地内であれば土地取得後でも問題は少ないでしょう。調査項目は関係法令・インフラ関係です。
後々の不安要素を取り除いておくためにも事前調査は重要な意味を持ちます。

都市計画法は当然として、宅造区域、砂防区域、森林区域は確認しておく必要があります。特に森林法は関与することはまれですが、もしも計画地内に保安林があれば致命的なので丘陵部ではチェックする必要があります。
また、埋蔵文化財も見つかればやっかいなので調査するべきでしょう。
その他里道・水路の国有財産の有無も確認する必要があります。
敷地の接道状況、計画地に至る道路幅員(4m以下ならば開発ができません。)
も重要な事項です。
次に、インフラ関係です。計画地周辺に公共下水があり汚水排水は可能か、給水は可能か、雨水の処理は可能か等々、水道分担金、開発分担金の金額もバカにはなりません。
これらの大まかな調査(接道状況以外)は市役所でできますので前もって行う事をお薦めします。

また、よくあるパターンとして、事前調査に行くと市役所の職員から「ここの土地は、色々な方が開発調査にこられるが接道問題やインフラ関係で開発は難しい。」と言われることがあります。
計画図としては問題がない場合でも土地そのものに問題がある場合があります。
このような内容も事前調査をして初めてわかることです。


 ■ 地元との調整(避けては通れない難関)

開発事業の中で避けては通れない問題が地元との調整です。
地元説明会も1回で無難に終わる所もあれば、最後までとことん反対される所もあります。
技術力云々で解決する問題ではないので事業主様には頭の痛い問題です。
基本的に地元住民は開発事業に反対です。開発をして地元から喜ばれたと言う話はあまり聞きません。

戸建での事業計画であれば比較的もめませんが、マンションとなると大反対は必至です。
地元同意はとうてい無理な話として、ポイントは必要以上にこじれさせず、地元説明会の回数をこなし、役所協議を通すかです。
地元が反対している場合、3回〜5回は説明会を開催しないと役所も納得してくれません。
地元との調整は事前協議の段階で処理しておかなければならない事項なので、ここでつまづくと32条、29条も当然遅れます。
地元の反対が予想される場合、事業主様は3回〜5回の説明会の期間を考慮しておく必要があります。この説明会の期間だけでも1ヶ月から2ヶ月は消費してしまいます。
事前協議の回答に地元との調整事項は必ず入っていますので事業主様は事前回答が帰ってくる頃に第1回目の説明会開催を予定しておくと後の工期が短縮できます。
都市計画法・宅造法では隣接同意を求めていませんが、砂防法・森林法では隣接同意を求めていますのでやっかいです。地元反対のため隣接同意が不可能な場合でも、説明会の数をこなしていれば理由書添付で役所協議を通すことは可能です。

周囲の地元問題よりもさらにやっかいなのが、開発地内の地権者、水利権者の同意です。
本来なら開発区域内に他の地権者を含まないことが大前提ですが個人の地権者を含んでしまい、その個人が反対している場合は問題となります。都市計画法では開発区域内の権利者の2/3以上の同意で開発行為は可能ですが、基本的に役所は全員の同意を求めます。
個人の地権者の同意に手間取ると必要以上の期間を消費します。

開発区域内の地権者は事業計画の段階でわかっていることが多いので事前処理はできますが、問題は水利権者の同意です。
計画地からの雨水放流先の河川等が農業に使用されている場合、必ず水利組合の同意が絡んできます。(たとえそれがほとんど農業に使用されていない水路であっても役所は権利者としての同意を求めます。)
これもかなりやっかいな問題です。特に開発事業に慣れている水利組合は平気で判子代としてかなりの額を要求してきます。事業主様としてはこのあたりの出費も計算に入れておくべきでしょう。


 ■ 行政移管された市では工期が断然お得

都市計画法の開発許可は原則知事許可ですが、最近はこの許可権の行政移管が行われており各市での市長許可で開発行為が可能になってきました。
本来なら市審査⇒土木事務所審査⇒県庁審査と段階を踏むところを市審査のみで開発できるので開発工期は大幅に短縮できるようになりました。
事業主様には大きなメリットでしょう。
ただ、行政移管されている市は都市部に限られており、まだまだ数が少ないのが現状です。

行政移管される許可権は都市計画法、宅造法の許可権に限られますので注意が必要です。
砂防法許可、森林法許可、河川法許可等は従来通り知事許可となるのでこれらの許可が必要な場合は時間がかかります。
また、開発地周辺に県道等、県の管理する公共物がある場合、県との32条協議が発生しますのでこちらも工期に影響します。(たとえ許可権を市が持っていても県との32条協議は必要です。)


 

Copyright 2000 Toshikuukan CO., LTD.
All Righits Reserved.

mail to
usd@toshikuukan.com